かまくらのとしょかん 地域館クローズアップ
会報174号掲載記事
地域館クローズアップ ①腰越図書館
先月第1週のTOTOMO例会は、腰越で開催されました。通常、NPOセンター鎌倉を利用していますが、 この日は、腰越図書館の階下にある腰越学習センターの1室が会場になりました。 これを機会に、地域館をクローズアップ!第1弾は腰越図書館です。
腰越図書館では、休館日を除き毎日「今日は何の日?」と題して、記念日や出来事の関連本を展示しています。
ある日(11月14日)の「今日は何の日?」を紹介すると「―石の日―鎌倉石や稲村の砂鉄等、鎌倉ゆかりの石もあります ね!」のパネルの周りに15、6冊の本がずらりと並んでいます。 図鑑や子ども科学雑誌のカラフルな石のページや面白い形の石の表紙写真が目に入ります。 小学生から読める科学入門書『砂鉄とじしゃくのなぞ』(仮設社刊)では、名刀正宗が生み出された稲村ヶ崎付近の旧砂鉄採取場の地図が掲載されているページを紹介。 鎌倉ならではの選書です。 大人向けには、ドイツ文学者種村季弘が「石」について語るエッセイ『不思議な石のはなし』(河出書房新社刊)もあります。 渋い表紙は『鎌倉彫 彫刻刀と砥石』(かまくら春秋社刊)彫刻刀の歴史、使い方から刀の砥ぎ方までの解説書。 「砥石」!!うーん!そう繋がる・・・?!石といえば、もちろん砥石も石の内。 この関連づけが、また何とも楽しいです!!!
鎌倉と来れば、郷土資料『鎌倉別荘物語』『鎌倉・都市の記憶』(島本千也著)こちらは禁帯本。 鎌倉石の紹介が付箋で記してありました。手に取ると鎌倉山や由比ヶ浜地域に残る鎌倉石の土塁や石塀を細かく紹介しています。 ほかに海外紀行やノンフィクション、日本中世の石工の活動を様々な事例から研究した論文集『中世石造物の研究(石工・民衆・聖)』(山川均著)もあります。 最後は、小説『路傍の石』(山本有三著)『肥後の石工』(今西祐行著)が並んでいます。 ほかにも数冊。
どれもこれも興味を引く本ばかり、ジャンルの広さに圧倒されます。 子どもから大人までを対象に、職員が選書するとのこと。 開館間近ならまだ誰にも借りられず、並んでいます。思わず手に取り、借りることに・・・・・
鎌倉市図書館のツイッターで確認もできますが、やっぱり実際に並んでいるコーナーを見るのをお薦めしたい。 面白い一冊に出会えること必至。私にとっては、歩いて行ける最寄りの図書館です。皆さんも一度足を運んでみてはいかがでしょう。
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会報175号掲載記事
地域館クローズアップ ②深沢図書館
地域館をクローズアップ。第2弾は深沢図書館。今回は深沢図書館のスタッフでTOTOMO会員の高柴さんに紹介していただきます!
「子どもたちの利用が多い。」深沢図書館に勤務してまず感じたことです。 保護者の方やお友達と一緒に、子どもたちは楽しそうに本を選んだり宿題の調べ物などをしたり、検索機を操作したりしています。 なによりびっくりしたのはカウンターへ来て本を探してもらったり、予約したりと「大人のひと」と自然と会話していることです。
子どもは大人になかなか声をかけられません。皆さん経験ありませんか。 ここでは館長を始め職員、嘱託が、聞きたそうにしている子に「なにか探しましょうか。」と話しかけたり貸出の際ちょっとした会話をしたりと積極的に子どもたちへ声かけをしています。 大人と話しやすいこの環境が子どもたちの利用に繋がっている気がします。
児童書コーナー奥の絵本の書架のそばには育児関係の本を取り揃えています。 絵本を選ぶかたわら、保護者の方にも近くで本を選んでいただきたいと始めたものです。 子育てエッセイのような読み物から子ども服の作り方の本、読み聞かせの本までバラエティ豊かに置いてあります。 育児支援のちらしを置いたり、育児中も図書館を利用しやすいよう工夫しています。
深沢図書館の大事な仕事の一つに「学校貸出」があります。 「学校貸出」とは小・中学校からの依頼を受けテーマに沿った選書をし、まとまった数の本を貸し出すサービスです。 依頼されるテーマは「地球環境」「生き物」「修学旅行」といった授業に使用するものや朝の読書用の本です。 依頼されたテーマにどれだけ迫れるか担当の職員は工夫を重ねています。
大人の利用も負けていません。各図書館で実施している特集本コーナー、深沢では入り口の自動ドアを入ってすぐ横です。 利用者の皆さんは入って来られるとまずここをチェックされます。12月前半のテーマは「片付け」でした。 次々にテーマに沿った本が貸し出され、私たちもどんどん本を補充する大盛況となりました。
片付いたお部屋で読む本を選びに、さあ深沢図書館へ。
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会報176号掲載記事
地域館クローズアップ ③玉縄図書館
地域館をクローズアップ。第3回は玉縄図書館です。
大船駅西口前の橋を渡り、柏尾川沿いをフラワーセンターへ向かって歩いて10分、 JAの看板が見えたら、右に曲がるとJAのビルのお隣に玉縄行政センターがあります。 その建物の2階が玉縄図書館です。
玉縄地域は、鎌倉市街地からちょっと離れている分、独自の活動が盛んです。 玉縄城、玉縄桜をはじめ、郷土の歴史を調べた皆さんの研究成果である資料が、図書館に寄贈されていていつでも閲覧できます。 同じ建物内の学習センター1階の展示スペースでは、地域に根差した様々な展示があり、図書館資料とともに楽しむことができます。 最近では、行政センターのロビーで、月4回ボランティアによる「カフェたまなわ」が開かれ、図書館の帰りにコーヒーやケーキをいただくこともできます。
また、玉縄図書館には、録音資料を作成するためのお部屋(写真)が用意されています。 録音資料を作成するには、静かな環境が必要ですが、ここは適していると見学をさせていただいて思いました。 現在は、週に5日、朗読録音奉仕会の方が利用されているそうです。
最後になってしまいましたが、図書館に入ってすぐ右の棚やYAコーナーには、司書の方が選んだおすすめの本が並んでいます。 私が訪ねたときには、一般向けには、「あたたかい本」、YA向けには「理系の世界」がテーマになっていました。 受付カウンターには、おすすめの絵本が、かわいいぬいぐるみとともに展示されていました。 こういったコーナーがあることで普段手に取らない本に気づき、読書の世界が広がります。
玉縄図書館は、司書の皆さんの地道なお仕事に支えられた、地元密着の素敵な図書館です。
(YA:YOUNG ADULT(ヤングアダルト)の略。「オトナ」と言いきれない、でも「コドモ」でもない人たちのこと。
おもに10代の人たちをさす。鎌倉の図書館には、10代の人たちを対象にしたサービスや本棚があります。)
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会報177号掲載記事
地域館クローズアップ ④大船図書館
地域館をクローズアップ。最後となる第4回は大船図書館です。 大船図書館は1974年に開設した大船貸出所時代を経て、1982年10月、大船行政センターの2階に開館しました。 JR、モノレール、バスが乗り入れる大船駅東口から歩いて5分、大船の台所、仲通り商店街にも近く、交通の便がとても良い活気ある場所に位置します。
しかし、大船図書館の面積はわずか460㎡しかなく、市内にある5つの図書館の中で最も狭小な図書館です。 にもかかわらず対象地域人口(43,000人)は2つの貸出カウンターのある中央図書館とほぼ同じで、貸出利用者や貸出点数が中央図書館より多い日が珍しくありません。
職員は文字通りてんてこ舞いしながら、「親しみやすく地域に密着した便利な図書館」をめざして、笑顔で健闘しています。
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